駐車場の進入口のバーがピクトさんの脳天を直撃している。そんな馬鹿な、と思う方もおられようが、ピクトさん自身もそう思っているに違いない。こんな馬鹿な目に遭ってしまうのがピクトさんなのである。己の運命を呪うしかない。前方に出された腕がバーにつっこみを入れているようにも見える。ありえない状況に置かれて、思わずつっこんでしまったのだろうか。しかしこのつんのめり方は尋常ではない。体の傾きから見て、直前まで走っていたのではないかと思われる。走ってきてガン、である。おっちょこちょいにもほどがある。「ピクトさんから大切なことを学ぶ」のが本会の目的だが、このような情けない姿を見ているとだんだんそんな気が失せてくる。会長の私がそんなことではいけないのだが。このピクトさんはなぜこんなにも急いで駐車場に走り込んできたのだろう。まわりがまったく見えていない心理状態であったと考えられる。よほどのことがあったに違いない。実に可哀そうだが、不思議と同情する気になれないのは、やはりこの姿があまりにも情けないからか。 |
事件の原因は、事故そのものよりも興味深い。 キケロ |