実に危険な行為である。エスカレーターの手すりに外側からぶら下がっているのだ。これはおそらく、登りのエスカレーターだろう。くだりのエスカレーターに対してはこのような衝動は起こらない。自分の体が自動的に上へ運ばれていくからこそ、人はそこに面白みを感じてしまうのである。私も中学生の頃、友人たちとこのような遊びをデパートのエスカレーターでよく行ったものである。男子中学生の典型的な青春の1ページと言えよう。しかしどうだろう。世の中にはエスカレーターにこのような楽しみ方があるということを知らずに生きている人もいる。このシールはそんな人たちに無用な知恵を与えてしまったりはしないか。「こんな遊び方があったのか」と目を輝かせるお調子者は必ずいる。あきらかに逆効果である。このピクトさんはよく見ると右足をやや上にあげている。これは体重の預け方を知っている上級者の所作である。素人は真似しないほうが賢明だろう。 |
青春は何もかもが実験である。 スティーブンソン |