目撃場所/自動昇降シャッター
(今回の目撃写真は たくみ様 に投稿いただいたものです)


科学技術の発達は本当に人間を幸せにしているのか。このピクトさんの姿を見ていると、そんな疑問が浮かんでくる。通常我々が「自動」と言う時、そこには「便利なもの」というニュアンスが含まれている。しかし我々はそろそろ、ここにもう一つ「危険なもの」というニュアンスも含めて使うべき時に来ているようである。昔の人々は、まさか自分たちの子孫が自動的に降りてくる扉で額を強打することがあろうとは、夢にも思っていなかったであろう。そんなタンコブ色の未来はイヤだ。利便性を追求してつくられた道具が、新しい危険を生み出す。なんという皮肉か。これから先の未来にも、やはり我々が予想もしていない危険が待ち受けているのであろう。人類が辿ってきた道のりは、これで正しかったのか。そしてこれから歩むべき道は、この方向でいいのか。このピクトさんは血の滲む額をおさえながら、我々にそう問いかけている。


人間はあらゆるものを発明することができる。
ただし幸福になるすべを除いては。
ナポレオン