のぼり系ピクトさん

ただ、ひたすら上へ。



エスカレーターをのぼる。
(日本)



エスカレーターを駆けのぼる。
(日本)



階段を二人でのぼる。
(日本)



踏み台にのぼる。
(日本)



椅子にのぼる。
(日本)



手すりにのぼって腰掛ける。
(日本)



はしごをのぼる。
(日本)



九州スペースワールドの遊具にのぼる。
(日本)



六本木ヒルズのアート作品にのぼる。
(日本)





公園の滝の上にのぼる。
(日本)





愛・地球博でイベント館の壁をよじのぼる。
(日本)




マンションの10階の手すりによじのぼる。
(日本)




石垣をのぼる。
(アメリカ)



アンコールワットにのぼる。
(カンボジア)




寺院の手すりにのぼる。
(タイ)



建設現場の足場にのぼる。
(イタリア)



崖をのぼる。
(中国)



崖をのぼる。
(台湾)



崖をのぼる。
(フィンランド)



ピラミッドをのぼる。
(メキシコ)



新宿御苑で木にのぼる。
(日本)


 
壁をかけあがる。
(日本)



屋上へのぼる。
(日本)





NHKスタジオパークで手すりにのぼる。
(日本)



馬鹿と煙は高いところに登る、という諺がある。
しかし馬鹿かどうかに関係なく、
人間はだいたい高いところが好きだろう。
みんなすぐどこかに登って景色を楽しんだりするではないか。
ちょっとした高台にだって、すぐ登る。
ジャングルジムのような遊具が遊具として成立しているのも、
やはり高いところに登るだけでうれしいからではないか。

いや、ジャングルジムはまだいい。
運動場に「のぼり棒」というのがあっただろう。
私も子供の頃、遊んだものだ。
あれなど、よく考えたらなにをやってたんだ、と言いたくなる。
棒に登って、するする降りてきて。
なんだそれは。

しかし我々は、のぼり棒を受け入れてきた。
人は登りたい動物なのである。
高いところが好きなのだ。

大人になっても同じである。
住む場所にしたって、人は「景色が一望できる」とかに弱い。
「夜景が楽しめる」にも弱い。
「眼下に望む」にも弱い。
「眺望」にも弱い。
「窓の外に癒しの風景が広がるお洒落な住空間」にも弱い。
都市と自然が響き合う地でゆとりと開放感に満たされながら、住まう。
そんな都心のアーバンライフ。
なにを言ってるんだ私は。

とにかく、人はみな、登りたがり屋さんなのだ。
のぼり系ピクトさんを見ていると、つくづくそう思う。